放射性物質の管理について

1.RI計器で使用されている放射性同位元素について

  • 当社が製造・販売する各種計器は、放射性同位元素(英語でRadio Isotope、略してRI)を利用しています。当社の全ての機器は、放射性同位元素がステンレス製のカプセル内に密封されている「密封線源」を使用しており、封入されている放射性同位元素が外部へ漏出する恐れはありません。ただし、微量ではありますが、計器の線源棒(線源部)からは常に放射線が放出されています。
  • 当社のRI計器を使用することによって使用者が浴びる放射線の量は、1年間あたり1mSv以下に抑えられております。この数値は国が定める放射線の被ばく線量限度以下の数値であり、計器を正しくご使用いただく限り、使用者の健康を害する恐れはありません。
  • しかし、当社のRI計器は「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」に定義されている「放射性同位元素装備機器」に該当する測定器であり、ご使用にあたり同法の適用を受けます。RI計器のご使用前には計器に添付された書類を熟読いただき、くれぐれも誤った使用をなさらないよう、よろしくお願い申し上げます。

2.設計認証について

  • 設計認証とは、「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」に基づき、通常の使用方法であれば特別な管理や許可を要することなく十分な安全性を担保できる放射性同位元素装備機器を原子力規制委員会が認証する制度です。設計認証を取得した放射性同位元素装備機器を表示付認証機器と呼びます。
  • 設計認証は、放射性同位元素装備機器メーカーが原子力規制委員会あるいは登録認証機関(例えば(公財)原子力安全技術センター)に、機器の設計およびその使用条件に関する書類を提出し、審査に合格することで取得できます。設計認証を取得した放射性同位元素装備機器すなわち表示付認証機器は、使用を開始してから30日以内に原子力規制委員会放射線規制室へ届出(表示付認証機器使用届、A4、1枚)を提出するだけで使用できます。
  • 当社が製造・販売するRI計器のほとんどは設計認証を取得済みであり、表示付認証機器に該当いたします。

3.表示付認証機器の使用に関する注意事項

  • 認証番号
    表示付認証機器には、その型式ごとに認証番号があります。認証番号は機器の本体あるいは線源棒(あるいは線源部)に表示されています。
    例えば当社の表面透過型RI密度水分計「ANDES」の認証番号は以下の通りです。
    ANDESの認証番号せ026
  • 表示付認証機器使用届
    表示付認証機器をご使用になる場合には、機器に添付されている「様式第四 表示付認証機器使用届」を、原子力規制委員会の担当部署に送付願います。「様式第四 表示付認証機器使用届」は、表示付認証機器の使用を開始されてから、30日以内に下記に送付願います。
    届出に必要な様式は、当社のホームページからもダウンロードしていただけます。
    様式第四 表示付認証機器使用届の送付先
    〒106‐8450
    東京都港区六本木1丁目9番9号
    原子力規制委員会 原子力規制庁 長官官房 放射線規制部門
    TEL 03-3581-3352
    ※原子力規制委員会より、下記の要望事項がございます。
    郵送にて原子力規制委員会に各種の申請・届出等を行われる場合は、別紙1の業種区分表を参照の上、封筒に業種(例:建設業)を朱書きしていただきますよう、ご協力の程お願い申し上げます。
  • 年間の使用時間
    全ての表示付認証機器には、使用者1名あたりの年間使用時間に関する規定があります。RI計器の型式によって年間使用時間は異なります。年間使用時間についての詳細は、計器の添付書類をご覧いただくか、当社までお問い合わせ願います。
  • 線源棒(線源部)の取扱
    • 不用意に計器の線源棒(部)に接近しないでください。
      特に、線源棒の先端部(密封線源が装着されています)を直接手で握ることは絶対にしないでください。
    • 線源棒(線源部)の取扱は機敏に行ってください。
    • 線源棒(線源部)および計器本体を分解しないでください。
    • 線源棒(線源部)を火中に投じないでください。
  • 線源棒(線源部)の保管
    • 線源棒(線源部)を保管する際は、専用の遮へい容器に格納してください。遮へい容器は、計器の型式によって異なります。計器の添付書類をお読みいただき、計器に付属する専用の遮へい容器をご使用願います。
    • 人が頻繁に出入りする場所での保管は避けてください。
    • 紛失・盗難事故が発生しないよう、保管場所には必ず施錠をお願いします。
  • 線源棒の運搬
    線源棒(部)を運搬するときは、必ず専用の輸送用梱包を使用してください。機器使用時の短距離の持ち運びの際にも、機器に添付の安全取扱説明書に記載された方法での運搬をお願いいたします。
  • 使用台数および使用場所の変更
    表示付認証機器の使用台数、使用機種、使用場所、法人の場合は代表者の変更があった場合は、変更の日から30日以内に原子力規制委員会に届出する必要があります。届出には指定の様式が必要となりますので、当社までご連絡願います。
  • 使用の終了
    (法令の改正により、2012.04.01より様式及び提出期限が変更されています。)
    全ての表示付認証機器のご使用を終了されるときは、使用終了後、遅滞なく原子力規制委員会に届出する必要があります。届出には以下1〜3の3種類の書類が必要となります。
    ①表示付認証機器使用廃止及び廃止処置計画届(様式第三十七)
    ②許可の取消し、使用の廃止等に伴う措置の報告書(様式第三十六)
    ③表示付認証機器受領書(注1
    注1)使用を終了(廃止)した機器が返却されたことを確認するための書類で、様式第三十六に添付して提出します。機器のご返却を確認した時点で、当社から発行・送付させていただきます。
  • 廃棄
    使わなくなった表示付認証機器を廃棄する際には、みだりに廃棄せず、必ず当社までご連絡願います。当社で責任をもって廃棄処分いたします。
  • 緊急時の措置
    • 火災が生じた場合には、通常の火災時と同様、延焼の防止に努めるとともに、直ちに消防署へ通報願います。鎮火後は、立入禁止等の措置をしてください。
    • 地震、火災その他の災害が起こったことにより、放射線障害を受けた方、あるいは放射線障害を受けた恐れのある方がいる場合には、速やかに救出し、避難させる等緊急の措置を講じてください。
    • 線源棒あるいは線源部を他の安全な場所に移す余裕がある場合には、安全な場所に移すとともに、その場所への関係者以外の者の立入禁止措置をお願いします。
    • 表示付認証機器の所在不明事故(盗難や紛失)が発生した場合は、警察および原子力規制委員会に直ちに通報していただく必要があります。
    • 緊急時の措置に際してご不明な点がございましたら当社までご連絡願います。

    緊急時の連絡・通報先
    ①警察
     最寄の警察署に連絡・通報願います。
    ②消防署(火災発生時のみ)
     最寄の消防署に連絡・通報願います。
    ③原子力規制委員会原子力規制庁 長官官房 総務課 事故対処室
     TEL:03-5114-2112(業務時間内、平日9:30~18:15)
     TEL:080-5885-7450(夜間・休日)
     FAX:03-5114-2197
    ④国土交通省自動車局 環境政策課(車両運搬時の所在不明、運搬時の車両事故の場合)
     TEL:03-5253-8111 内線 42513
     TEL:090-7845-0226(夜間・休日)
    ⑤ソイルアンドロックエンジニアリング株式会社 機械部または計測サービス課
     TEL:06-6331-6031
     TEL:080-8347-6841(夜間・休日)
     FAX:06-6331-6243
    事故発生等の緊急時連絡体制
    画像クリックで拡大表示
    必要連絡事項
    ①事故発生場所、発生時刻 ②事故概要 ③RI計器の種類、機械番号(SR-####) ④連絡先

4.RI計器の線源棒の紛失・盗難防止のための厳守事項

RI計器の線源棒の紛失・盗難が起きた場合、法令上の義務から各関係機関等への速やかな報告が必要です。また、過去の事例では、工事中断(発見まで)・測定場所近傍の捜索実施(発見まで)・関係者への聞き取り調査・事件として報道の対象になり、長期間にわたる工事の遅れ、社会的責任の追及など重大な事態に繋がります。
このような状況の下、平成28年8月付で改訂された東日本高速道路㈱、中日本高速道路㈱、西日本高速道路㈱の土工施工管理要領には、RI計器の線源棒の紛失・盗難防止に関する記述が追加され、これまで以上に線源棒の厳重な管理が求められることになりました。
RI計器をご使用いただくにあたり、以下に示す1)~5)の内容を厳守していただき、線源棒の紛失・盗難防止に努めていただきますようお願いいたします。

  • 管理者の選任
    RI計器を使用するにあたって、管理者を選任してください。
    管理者は安全に配慮し、法令を遵守するとともに線源の取扱いに関する内容を熟知し、保管・使用・運搬について以下の項目を厳守して、関係者の意識強化に努めてください。
    なお、管理者と使用者が異なる場合は、管理者は使用者にRI計器の取扱いおよび紛失・盗難に関する教育指導を徹底してください。
  • 保管に関する厳守事項
    RI計器の線源棒を保管する場所は、人があまり出入りせず施錠ができる場所を選び、厳重に管理してください。

    • 始業時および終業時に、線源棒の有無を確認してください。
    • 毎日の始業時に、線源棒が線源コンテナに収納されていることを確認してください。

    始業時に線源棒が線源コンテナに収納されていることを確認する理由は、保管中に盗難にあっていないかを確認するためです。また、線源棒を収納する時にも、毎回線源棒の確認を行ってください。収納忘れ、持ち運びの際の落下等による紛失の有無確認のためです。指差呼称して線源棒の存在を確認してください。また、線源棒を保管する建屋又はロッカー、部屋等には必ず施錠を行い、部外者の侵入・盗難を防止してください。

  • 使用に関する厳守事項
    標準BG計測時は、RI計器から線源棒を取り外して本体から所定の離隔(20m以上)をとる必要があり、このとき線源棒を見失う危険があります。線源棒の傍に目印となるものを置き、使用者および現場内の他の作業者から容易に視認できるようにしてください。
    現場BG計測は標準BG計測と異なり、現場施工箇所内での測定作業となるため、線源棒を20m以上隔離した際に重機に踏まれたり、線源棒や線源コンテナに土砂を被せられたりして所在不明となる恐れがあります。したがって、線源棒隔離時の位置表示がより重要となります。以下に対策例を示しますので参考にしてください。

    • カラーコーンを線源コンテナ(線源棒格納筒)の傍らに置いて、その位置を明示する。
    • 測量用のポールを線源コンテナの傍に立てて、その位置を明示する。
  • 運搬に関する厳守事項
    線源棒は線源コンテナに格納して運搬してください。作業終了後にRI計器を撤収して収納場所へ持ち運び、保管する際は、線源棒を忘れないようにしてください。また、車両への積込みの状態が悪く、車両から線源棒が落下しないよう注意してください。
  • チェックシートの活用
    線源棒の紛失・盗難事故を防止するため、管理者はRI計器に付属のチェックシートを用いて線源棒の使用状況を日々確認してください。なお、本厳守事項に関する文書およびチェックシートを本ページにてダウンロードすることもできますのでご活用願います。

ダウンロード

線源棒の紛失・盗難防止のための厳守事項

チェックシート

以上、お手数をおかけいたしますが、諸事情をご理解賜り、ご了承いただけますようお願い申し上げます。

ソイルアンドロックエンジニアリング株式会社

本社
〒561-0834
大阪府豊中市庄内栄町2丁目21番1号
TEL:06-6331-6031
FAX:06-6331-6243
アクセス(Google Map)

東京支店
〒101-0032
東京都千代田区岩本町1丁目9番8号
第3FKビル 3階
TEL:03-5833-7400
FAX:03-5833-7401
アクセス(Google Map)